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ペット情報総合サイトPETPET-小動物図鑑【チンチラ】チンチラ

動物百科事典

小動物 チンチラ

チンチラ
チンチラ
解説

南アメリカのアンデス山脈の高山地帯に生息する齧歯目の仲間で、古くから極上の毛皮を取るために乱獲されて、自然下での生息数は激減してしまった。現在ではワシントン条約(CITES)の付属書1に指定されており、野生の個体の商業目的の取り引きは一切禁止されている。したがって、現在ペットショップで販売されているものは、すべて飼育下で繁殖されたものである。飼育熱の高まりと共に、様々な体色のものが作り出されるようになった。よく見かけるものとしては、野生色であるグレーの色調のものが多いが、これ以外もシルバー、ブラック、ブラウン、アルビノなどが知られている。

飼育器具

ケージ(飼育容器)は体長が30cm以上に達するだけでなく、とても活動的な動物なので、できる限り大きなものを用意する。さらに自然下では、岩場を岩から岩へピョンピョン飛び移りながら生活している動物なので、十分な高さのあるものを選択する必要がある。市販されているものの中には、チンチラ用のケージとして十分な高さがないものが見受けられる。最低でも縦横が60cm以上で、高さも100cmくらいあるものを用意したい。場合によっては、犬猫用のものやオウム類用のケージを使った方が良いこともある。この場合、底床の網目が粗くチンチラが足を取られそうならば、金網をはずして使用する。またチンチラは、木の枝などは齧ってしまうため、木製やプラスチック製のケージよりも金属製のものをお勧めする。ケージ内の居住面積を少しでも大きくするため、内部に棚板などを設置し、2階建てのケージにするのも非常にいいことだ。
臆病で神経質なところのある動物なので、ケージの中には必ず巣箱を用意し、チンチラが隠れる場所を作ってやる。このときプラスチックなど、チンチラが齧って食べてしまった際に問題が生じそうな材質のものは避けるようにする。通常は木製のものが使用されているようだ。餌入れは齧られる心配がなく、またチンチラがジャンプした際にひっくり返る心配がないことから、陶器製の浅いものがお勧めだ。ケージに付属している取りつけ型の餌入れも使用は可能だが、万が一齧られても安全な材質かどうかは、よく確認したい。吸水器はひっくり返されないことや衛生面から考えても、ボトルタイプのものがいいだろう。この場合、できる限り硬い材質のものを探すようにする。
チンチラにトイレをしつけるのは結構大変なことだ。そのため無理にトイレを設置する必要はないが、気長にしつけるつもりならば、トイレ容器を設置してその中に猫用のトイレ砂を入れておく。トイレ砂は定期的に交換し、常に清潔に保つよう心がける。チンチラには水浴びをする習性はないが、代わりに砂浴びは大好きだ。体の余分な分泌物を落とし、体を清潔に保つためにも、ケージ内には砂浴びのための容器を設置してやる。砂浴び用の容器は少し高さのあるものを選んでおかないと、砂浴びの際にそこらじゅうに砂が飛び散ることになる。砂はできるだけ細かくてさらさらしているものを選んでやる。他の齧歯目の動物同様、チンチラも絶えず伸び続ける前歯をもっている。したがって、ケージ内には適当な大きさの枝や角材などを入れておき、それを齧らせることにより前歯を磨耗させるようにする。ショップによっては、チンチラ専用の軽石を扱っているところもある。

エサ

自然下では完全な草食性のチンチラのため、飼育下でも植物性の餌を用意する必要がある。できれば、主食として市販のチンチラ専用フードを与えるのが、栄養面から考えても望ましい。専用フードが入手できない場合は、ウサギ用のフードの中で、脂肪の含有量が少なめのものを選んで与えるようにする。果物や種子をおやつとして与えるのはかまわないが、水気の多いものは下痢の原因となるし、脂肪含有量の多いものは栄養バランスを崩す元となるので控えたい。人間用のクッキーなどは、糖分、塩分、脂肪などの含有量がチンチラには適当とはいえないので、絶対に与えてはならない。チンチラは乾しブドウが大好物だ。ケージの外に出して遊ばせる時に、少量の乾しブドウを与えるとよりコミュニケーションが取りやすくなるので、用意しておくといいだろう。ただしあまり大量に与えると、主食フードを食べなくなる恐れがあるので、量は控えめにすること。餌や飲み水は毎日新しいものと交換するようにし、絶えず清潔に保つようにしないと、病気にかかりやすくなる。

健康管理

日常の管理としては、餌と飲み水を毎日交換することがあげられる。チンチラは尿やフンの量の多い動物ではないので、ケージの掃除などは数日に1度くらいの間隔で行えば、問題はない。また、砂浴び用の砂もできるだけこまめに交換し、絶えず清潔なものとしておきたい。場合によっては、砂浴び用容器の中がトイレとなってしまうケースがあるので、そのときは砂を交換する。臆病で神経質な動物だが、一方で知能が高く、人にもよくなれてくれる。家に連れ帰ってから数日が過ぎて、ケージにもなれてきたようならば、少しずつ飼い主に馴らすようにする。はじめのうちはケージからそっと取り出して、部屋の中で自由に遊ばせることからはじめるようにする。このとき、ドアが開いていたりしないかよく確認しないと、脱走や猫の襲撃を受けることになりかねない。
チンチラを馴らす際に、あせりは禁物だ。飼い主への警戒心を完全になくす前に無理やり抱き上げたりすると、その後飼い主に慣れることがなくなる恐れさえあるので注意が必要である。部屋で自由に遊んでいるときに、手のひらに少量の乾しブドウを乗せておくと、警戒心の薄れてきたチンチラならばまもなく近づいてきて、手のひらの上の乾しブドウを食べてくれるようになるだろう。チンチラが警戒することなく飼い主に近寄ってきて、好物の乾しブドウを食べるようになったら、少しずつ背中をなでたりしてスキンシップを深めていくようにする。チンチラの体毛は約3ヵ月に1回くらいの周期で抜け替わるので、普段からブラッシングをする習慣を身につけておきたい。ブラッシングはゆっくりと優しく行うべきで、さもないと体毛がごっそりと抜けてしまう恐れがある。

その他

元来がアンデスの高地など、冷涼な気候の場所に生息する動物だけあって、特に暑さに対する抵抗力はない。したがってわが国の夏のような、高温多湿の飼育環境に耐えることはできない。夏場でも25度以下をキープできるような設備(エアコンなど)が用意できないのであれば、チンチラを飼うことは不可能である。特に夏場に旅行などで家を空けたときに、熱射病にかかり死亡するケースが多いので、たとえ飼い主が不在であってもエアコンのスイッチを切ってはならない。チンチラはペットとしての歴史も比較的浅く、わが国の夏場の高温多湿に耐えることもできないため、一般家庭での繁殖はかなり困難である。繁殖には生後8ヵ月から10ヵ月は経過したペアを使うが、メスの気が強く普段から一緒に飼育するのは避けたほうが無難だ。交尾の際のみ、ペアを一緒にするようにしたい。
うまく妊娠すれば、4ヵ月弱の妊娠期間を経て出産が行われる。1度に2〜4頭くらいの子供が生まれ、生後60日くらいで離乳する。繁殖期間中は母チンチラをできるだけ静かな環境下に置かないと、育児放棄をする恐れがあるので注意が必要だ。夏場の高温、多湿対策と日常の十分な砂浴びをさせていれば、チンチラはそれほど病気になる動物ではない。それでも、皮膚病や下痢、風邪などの病気にかかることがあり、その場合の治癒の可能性は犬や猫に比べて格段と低いものとなってしまう。普段からチンチラのような、エキゾチックアニマルの診療に習熟した獣医師をみつけておくように心がけよう。