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ペットといっしょに考えよう

青い森紀行
ペットといっしょに考えよう【】写真
今年も、アッと言う間に折り返し点に到達いたしました。

我々から見れば、たかが半年のことですが、アイツ(12才・34Kg)からすれば、およそ2年間の経過に相当いたします。前期高齢犬(?)にとってはかなりな負担だったのでしょう。元気で食欲もありますが、動きは鈍くなりがちで、いよいよこの夏は正念場を迎える覚悟をしています。

 この間、特に6月は目を覆うようなニュースが相次ぎました。秋葉原の事件や岩手・宮城内陸地震が然りです。そんな人災と天災の合間を北東北地方に出かけました。そして、帰途の一区間ですが、青森県八戸市から「青い森鉄道」で岩手県盛岡市に向かいました。途中から「いわて銀河鉄道」と呼称が変わりますが、ネーミングはともかくとして、昔ながらの在来線(東北本線)のことなのです。新幹線を利用すればわずかに30分たらずの距離なのですが、ここの風景が好きで、敢えて普通列車にいたしました。幸い、天気にも恵まれておよそ2時間弱の間、文字通りどこまでも一面の青い森を堪能したところです。特段の景勝地はありませんが、できるだけトンネルを避けて山合いの切り通しを縫うかのような緩やかなカーブが続き、数え切れぬほど渡る鉄橋からは谷川の水底に魚影が見えることすらあり、小さな途中駅の看板には、十和田湖に一番の最寄り駅との案内がありました。そして、終点の盛岡付近では左右に、石川啄木の思い出の山・姫神山と秀峰・岩手山を見くらべ、久しぶりにのんびりと車窓を楽しみました。
 考えてみれば、九州の講演を日帰りで強行したり、時間にせかされてトンネルだらけで味気無い新幹線に身を任せて移動したり、あくまでも効率だけを求めて動き回っていましたが、せっかくの美しい山河がありながら反省しきりです。日本列島のおよそ70%は山岳地帯であり、その山々のほとんどが緑に覆われ、その森の腐葉土はスポンジのように水を貯えて清冽な流れを生み、やがて海に至るまで多くの生命をはぐくむ源となってきました。ところが、今日の日本では自然破壊や河川汚濁が茶飯事で目にあまり、その豊かな自然を冒涜したツケがアチコチに噴出している気がします。いつも何かに焦ってイラツキ、精神的な余裕を見失うこともその一例でしょう。

 終日にわたり雨模様の週末で、九州・四国等の西域の一部では豪雨の被害も出ました。本来、この時期の雨と言えば、降りみ降らずみの小雨模様だったはずですが、いつしかしの突く雨が多くなりました。地球温暖化の影響でしょうか。アイツもすっかり諦め顔で犬舎に引きこもっていますが、小降りを見計らってお互いの気分転換に外に出る予定です。欣喜雀躍する様が目に浮かび、こっちまで楽しくなってきます。生き物や自然との触れ合いは無条件に素晴らしい。



財団法人 日本動物愛護協会
理事・事務局長 会 田 保 彦

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