ペットといっしょに考えよう
エコ対策
特に、8月29日未明(午前2:00頃)に部屋のガラス越しに見た光景は凄まじい限りでした。もとより、アイツ(12才・34Kg)の悲鳴に近い鳴き声で目を覚ましたのですが、間断なく雷鳴がとどろき渡り、昼間のような明るい雷光が暗闇を引き裂き、爆弾の破裂のような落雷とともに、バケツをひっくりかえしたような激しい雨が降り続いていました。この間、アイツはと言えば、あまりの異変に犬舎を飛び出し全身ズブ濡れになり、まるでカピバラ(?)のような姿で震えながら立ち尽くしていました。すぐに雨中に飛び出し、玄関内に引き込みましたがアイツの激しい動悸は容易におさまらず、体をスッカリ拭きとって落ちつかせ寝かしつけたのは、午前3:30を過ぎていました。小型室内犬のブームもあり、昨今の犬の飼い方は室内飼いが主流となり、およそ69%(ペットフード工業会調査)に達したそうです。確かに、今時では珍しい外飼いで、しかも高齢犬にとっては相当にショックだったのでしょう。 異常気象と言えば、誰しもが地球温暖化の影響と思いをいたし、分かり易いイメージとしては、氷原がとけて生息域のエサ場を失った北極グマが飢えに追いつめられていく姿を人類の将来と重ねています。ならば、人類にとってどのような温暖化の防止対策をとる必要があるのでしょうか。過日も、当該問題対策の総本山である環境省のエレベーターホールで「二酸化炭素を1人1日1kg減らそう」なるポスターを見かけました。国民への省エネアピールとしては、十分に理解できるし異論もありません。しかし、これだけではいかにもインパクト不足を否めないのです。果たして、国民の決意だけで解決する問題なのでしょうか。決してコトの本質の改善とは思えないのです。例の洞爺湖サミットにおいても、どの国も総論は賛成なのですが、イザ各論になると現代社会の豊かな体制を犠牲にする覚悟までは表明できずに中途半端なコメントに終始していました。 紙幅が尽き、いきなりはしおって恐縮ですが、通勤電車の中では小さなモニターが家電メーカーのエコ商品を盛んに宣伝しています。大いに結構なのですが、それではこれまで大事に使われてきた製品はどうなるのでしょうか。その処分には、環境に莫大な負荷のエネルギーを強いるはずです。同様に、環境にやさしいはずの風力発電も然りなのです。風の道に設置される大きな金属プロペラの下には、多数の野鳥の屍が散見されるそうです。エコ対策とは、マクロな予防策とミクロな治療策のバランスが求められるのでしょう。 財団法人 日本動物愛護協会 理事・事務局長 会 田 保 彦 |
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