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老化現象
ペットといっしょに考えよう【】写真
この一両年は、清涼の季が到来すると決まって、やれやれ今年もアイツ(12才・34Kg)は無事に夏を乗り越えることができた、とホット安堵するのが常となりました。

無理もありません。最近のある資料によると、平均的に一括りにされた犬と人の年齢換算表の他に、人と犬の大きさ(小型、中型、大型)別の年齢比較表を目に留めたのです。ご存じのように、小型犬になるに従って大型犬よりも長生きする傾向がありますが、それによりますと、あくまでも一般論ですが12才と言う年齢は、小型犬ならば人の64才、大型犬ならば人の89才に相当するとの情報が記されていました。
 確かに、寄る年波のせいなのでしょうか、このところアイツに妙なクセが付き始め心配しています。実は、草木も眠る丑三つ時(AM2:00〜2:30位)になると吠え出すのです。ご近所に迷惑をかけぬよう、すかさず庭に飛び降り宥めるのですが、シッポを振って喜んでいる始末です。いささか老化現象が進み昼夜が逆転しつつあるのかもしれません。日頃は、「生者必滅」は世の習いであり、生あるものがいつかは必ず老いを迎えることは極めて自然なことと承知しています。折しも、高齢化の波が人間だけではなく犬の世界にも押し寄せてきていることも想定内の事実です。ならば当然、人間同様に犬の痴呆があってもおかしくありません。これまでもアイツは、老年性白内障やマラセチアによる外耳炎と仲良く付き合いながら、月例検診をかかさずに元気にすごしてきましたが、もしかすると今回は表面的には目に見えない脳の変化(?)も予測され、いざ直面した時に備えて対応を考えています。
 一方、明らかに目に見える変化にも要注意です。もとより、朝晩の散歩、ブラッシングを励行し、食欲は旺盛で毛の艶も良いのですが、このところ車の荷台や庭のウッドデッキへの乗り降りがスッカリ弱くなりました。特に、後ろ肢のジャンプ力が衰えて苦労しています。そのくせ、人の姿さえ見れば車を使った遠出の散歩をせがむので、いよいよ補助ツールの必要性を痛感し、ペット関係の知己に相談の上、ご覧のような「ドッグステップ」を購入いたしました。早速、お試しとなった次第ですが、ヒョイと抱き上げられる小型犬とは違い、まさにアイツにピッタリの老犬介護用品でした。ただし、大型犬用の外国製品のせいか、やたらに重くてかさばるのが難点です。
 過去にも同様に、「黄秋」や「加齢」と題して小欄で似たような内容をご案内したことがあります。どうしても話がマイナーになりがちで恐縮ですが、人と動物の関わりの中ではソフトもハードも決して避けて通る訳にはいかない問題なのです。そもそも、昔は痴呆に至るまで長生きする犬は少なかったし、介護用品も特に必要ではなかったはずですが、今や素晴らしい伴侶として長寿も当り前になりました。残り短いアイツの犬生を、できるだけ穏やかな気持ちで見守ってあげようと思っています。


財団法人 日本動物愛護協会
理事・事務局長 会 田 保 彦

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