ペットといっしょに考えよう
自然からのメッセージ
多分、現代文明社会から限りなく排出される二酸化炭素等のお陰(?)なのでしょう。しかし、本当にそのために地球上の平均気温が上った結果だとしたら、恐ろしい代償を払うことになります。旱ばつによる農業被害や海水面の上昇による自然災害をひきおこし、やがては自然生態系を破壊して、そこに生息する多くの動植物(もちろん人間も含めて)に甚大な影響を及ぼすことになるからです。「早桜」は宇宙船地球号の異変に対する警告かも知れず、とても花見酒どころの気分にはなれません。ただし、ここでは地球温暖化対策を述べるつもりではなく、1997年の先進諸国間国際会議において、温暖化防止のために二酸化炭素等の温室効果ガス排出量の削減目標を定めた「京都議定書」が採択されている、ことだけを周知しておきます。 人類は、自然界の異変についてもっと何かを察知しなければなりません。ともすると、現代社会で暮らす人々の多くは、日進月歩で開発される合理的で便利な文明の利器におぼれ、いつしか知識だけを頼りに頭でっかちとなって感性を見失い、自然界が発するメッセージを素直に受け止めることができないのではないかと杞憂しているからなのです。 先程からアイツ(オス・5歳・35kg)は、ウッドデッキの定位置でのんびりとまどろんでいます。しかし、どんなに寝相をかえても鋭敏な鼻っ面だけは南西に向け、今日の風向きにピタリと照準を合わせています。真冬では主に北東に向けていたものです。有史以来、犬が犬として本能に裏付られ受け継がれてきた感性なのでしょう。日頃は、甘ったれでしょうがないのですが、室内犬にはない野生の魅力を残しており、ひそかに超能力に舌をまいているところです。 レイチェル・カーソンは言っています。「体で感じたことは、単に知識で覚えたことよりもずっと大事である」と。自然界の一員として、感性を大事に育みたいものです。 (財)日本動物愛護協会理事会田保彦 |
|