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動物とマスメディア
ペットといっしょに考えよう【】写真
動物愛護週間のイベントが済み、ホッと一息ついています。気がつけば、酷しい残暑にまとわりつくように咲き誇っていた百日紅(サルスベリ)もいつしか色あせ、とって代るように野辺には彼岸花が色取りを添えています。毎年のことながら、季を違えぬ律儀な花と感心しています。

例によって、アイツ(5才・36Kg)と散歩する道すがらの他愛ない点描ですが、そう言えば夏の間中、分厚いロングコートをはおり、身のおきどころなく暑さにあえいでいたアイツの体力もスッカリ回復し、朝晩の散歩時間がグーンと長くなってきました。人犬一体でどうやら無事に夏を越したようです。

それにしても、いつもこうるさい言説で恐縮ですが、昨今のマスメディア(特に民放テレビ番組)における動物に対する扱いは何とかならないものでしょうか。

「タマチャン」の報道が然り、その他にも芸能人による動物の福祉を省みないゲーム番組やおよそ動物の愛護になじまないコマーシャルなど、呆れて物が言えません。否どうしてもいわずにはおれないのです。

柄にもなく真面目くさっていささか大人げないとは思いますが、これらの動物の習性・生理・生態を無視したテレビ番組は、社会の公器として、いわるゆ公序良俗(公共の秩序と良識な風俗)はおろか、幼少時への教育的な影響についての配慮がなされていない内容ばかりです。即ち、動物が命ある存在であることを鑑みず、徒に奇をてらうばかりでオモチャ扱いをしているのです。このような安易な風潮を放任することが、生命の尊厳をそこない、動物虐待を招き、やがては凶悪犯罪にも及ぶことは、ひとしく世界で認識されているところです。

件の制作関係者に釈明を求めると、「ご指摘の点は十分に理解いたしましたが、決してそんなつもりは毛頭ありませんでした。」とのありふれた詭弁に終始するのが常です。ならば、資金源であるスポンサーの企業各社に問いたい。この不況下に、高額の支払をしてまで、イメージダウンとなり世間のひんしゅくを浴びる番組を支援する意義はどこにあるのでしょうか。

世界中の情報がリアルタイムで飛び交う時代となり、動物への関心もますます高まっています。日本のマスメディアがこれでいいわけありません。こうるさくもなる所以です。

財団法人日本動物愛護協会理事・事務局長会田保彦

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