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ペットといっしょに考えよう

犬とメロディ
ペットといっしょに考えよう【】写真
日頃からテレビ(芸能)音痴を自認していましたが、いきなりカーラジオからその歌が流れてきた時はビックリいたしました。20余年も前のなつかしい「大きな古時計」の曲で、今になって大ヒットしていることを知らされた次第です。

当時、愚娘たちによく歌って聞かせていたものです。しかし、いまだにあれは「無理矢理に聞かされていたのだ」と恨まれているようなので、仕方ないから代わりにアイツ(オス・36Kg)相手に散歩の道すがら口ずさんでいるところです。ただし、聞いているのかいないのかチットモ張り合いがありませんでした。

ところが、某夜更けのことです。首を下げ気味に臭いを嗅ぎ回りながら黙々と歩いていたアイツが突然に立ち止まり、頭を上げて耳をそばだてたのです。「おまえ何やっているんだ」と声をかけながらハッとしました。何と、目の前の家からかすかに“チクタクチクタク”とこの歌が聞こえてきたのです。

犬の行動学についてはいささか習得しているつもりですが、ならばアイツの現象をどのように理解すればいいのでしょうか。気紛れな偶然だったのでしょうか。本来、犬の鋭敏な聴力については犬笛の応用、サイレンに呼応しての遠吠え、蓄音機に耳を傾けるレコード会社のマスコット(HisMaster’sVoice)等、古今東西のエピソードは枚挙にいとまはありませんが、寡聞にしてメロディを察知したという事例は聞いたことがありません。どなたか科学的に究明された方がおいででしたら、是非ともお教えいただければ幸甚です。

ペットブームなる呼称も大分テアカにまみれてきましたが、それでも相変わらず“犬と住む家”“防音装置付き犬小屋”等、人と動物の関わりについての新刊や新製品が引きも切れません。いずれも貴重な情報ではありますが、あくまでもハード部分であって対処療法の域を出ていません。願わくば、まずはソフト部分として飼養に先だつ飼い主の配慮(飼育環境のチェック等)や当該動物に対する正しい知識の修得(適正なしつけ等)を心がけていただきたいものです。もの言えぬ動物たちが有する習性・生理・生態の神秘をさぐるのはとても楽しいことです。

財団法人日本動物愛護協会理事・事務局長会田保彦

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