
ペットといっしょに考えよう
夏の健康管理
特に高温多湿のこの時期は、人も動物も健康管理が大変である。日々の散歩やブラッシングもさることながら、定期的なフィラリア予防薬や外部寄生虫駆除薬の投与も欠かすことができない。更に、その日に限っては小屋やその周辺をデッキブラシで見違えるほどに磨き上げ、居住環境も清潔にしてあげた。 この間、庭で離れ放しのアイツはと言えば、暑さを避けて木陰や縁の下に涼を求めながらさまよっている。確かに、あの分厚いコートを身にまとった体を見ているといささか気の毒になる。その後は早速、トリミングにも連れて行った。 若いトリマーの見事なハサミ裁きに、アイツも神妙な顔をして従うことおよそ2時間30分。お陰で、ライオンの雑種?かと見間違えるほどだったボサボサの毛並みが一転してイケメンに変身した。親馬鹿な飼い主は、顔が細く耳が小さくなってキリッとしまったとか、足の肉球がカワイイとか、まさに「馬子にも衣装」ならぬ「犬にもトリミング」で大好評であった。一見、野生的な魅力も捨て難いが、夏はやはりサッパリした方がアイツも過ごし易いだろう。 ところで、散歩で出合う犬仲間の中に気になる大型犬のメスがいる。室内飼いでいつもきれいにトリミングされているのだが、このところ明らかに体力を消耗した症状が目につくことが多い。舌の垂れている位置がおかしいのだが、飼い主は気が付かないでいる。 ご存じのように、犬は皮膚呼吸ができないために口で呼吸しているのだが、その時の舌は、言わば自動車のラジエター(エンジンの冷却装置)の役目なのである。そのために、たとえ激しい息遣いでもその舌が真下に位置している時は正常なのだが、真横に垂れている時は明らかにオーバーヒートしていることが多い。 酷暑を迎えるにあたり、飼い主は外見の身だしなみだけではなく、パフォーマンスにも十分に理解し、くれぐれも健康に気を付けてあげる必要があるでしょう。 財団法人日本動物愛護協会理事・事務局長会田保彦 |
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