ペットといっしょに考えよう
動物たちの反撃とその対策
それが咋今では、黙っていても動物たちの話題が紙面をにぎわせるようになり、関心の高まりを実感しています。但し、その中味はと言えば、動物愛護の普及とはおよそ無縁なおぞましい動物虐待事件や近隣に公害を撒き散らす多頭飼育のような事例も含まれ、極めつけは世界的に蔓延する動物を介在して人にも感染する「動物由来感染症」に関するニュースです。連日にわたる報道でもご存じのように、狂牛病、サーズ、鳥インフルエンザ等で、いささか非科学的なたとえですが、あたかも産業動物の牛、野生動物のハクビシン、愛玩動物のチャボたちが自然の摂理を冒涜し続ける人間社会に向かって一斉に反撃のノロシをあげてきたかのような感を覚えています。 これらについて、多様な原因の究明は専門家にお任せし、ここでは現実問題として一般国民の皆さんがこれらの感染症について如何に対応すべきかについて一言の提言をいたします。肝要なことは、風評被害にいたずらに怯えず冷静に正しい情報と知識を得るとともに、動物に触れた後は必ず石鹸等を用いて手洗いする生活習慣を励行することです。「なぁ〜んだ、そんな簡単なことでいいの?」との声が聞こえてきそうですが、その通りなのです。とかく大袈裟に考えがちですが、本当はシンプルな予防策で十分なのです。 それだけに、真意のほどは定かではありませんが、一連の記事の中で目にとまった由々しき談話には腹立ちを覚えました。それは、某保育園が一部の園児保護者の反対により可愛がっていたニワトリとチャボを一方的に隔離処分したというもので、更にご丁寧にも教育委員会までもが一人でも反対者があれば現状復帰はさせないと明言していることです。何故、園児たちにきちんと予防策を学習させないのだろうか。大人の利己的な視点だけでことが運ばれ、子供たちを無視してひたすら短絡的な鳥の排除で解決を図ろうとする、教育的にも問題ありと思われます。 ところで、アイツ(7才・37Kg)に関してですが、つい多忙にかまけてケアの手抜きをしたところ、早速に罰があたって治りかけていた外耳炎を再発させてしまいました。紺屋の白袴と言われそうですが、すべからく生き物は日々のきめこまかい健康チェックがいかに大事であるかを改めて痛感しています。ここでも、「予防は治療に勝る」は至言でした。 財団法人日本動物愛護協会理事・事務局長会田保彦 |
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