ペットといっしょに考えよう
炎暑
しかし、各地では早くも平常の体温を簡単に超えてしまうような記録的な猛暑に見舞われ、あまりの異変に人も動物もグッタリです。 もとより、アイツ(8才・37Kg)も例にもれず、そのあえぐ様は只事ではありません。人の顔さえ見れば、一段と激しい息遣いとなり今にも倒れそうに、まさに身の置き所がない、といった表情で訴えてきます。わずかでも涼を求めた結果、玄関ポーチ下のタイルでペタッと寝そべるのが常となり、たまにスポーツドリンクの給水を受けながらかろうじて凌いでいる状態です。そして、あれほど好きだった散歩もいつしか控え目になり、時には脚側行進(リーダーウォ−ク)どころか脚後行進(?)となって、トボトボ後から着いて来る始末です。 異変と言えばもう一つ。例年であれば、初夏から梅雨明けまでの間、早朝の散歩の道すがらに鳴き声を楽しませてくれているカッコーが突然に姿を消してしまったことです。これまでは、他の鳥の巣にチャッカリと「託卵」を終えても、梅雨の間は里に居ついていたものですが、連日の晴天と暑さに辟易したのか、気象庁の発表を待たずに勝手に梅雨明けと勘違いして秩父・奥多摩の山中に避難してしまったようなのです。異常気象は自然の生態系にも多大な影響を及ぼしているのです。 一方、人間社会の暑さ対策となると、今夏に関しては政府を中心に行政関係者のクールビズが浸透して話題となっていますが、民間では未だしの感が否めません。事実、当協会の来会者を見てもほとんどが背広着用です。多分、消エネの一環として精神的な効果が一義となっているのではないかと推察しているところですが、何はともあれまず第一歩を踏み出したことに意義があるのでしょう。エアコン等の文明の利器に頼れば頼るほど、結局は「機械あれば機事あり」で、どこかで負荷も増しているからです。 今、出張先のホテル(6月30日・福岡市)で本稿を認めているところですが、皮肉なことに昨日より東京地方は梅雨に後戻りした由。アイツのことが気になっていましたが、ホッと一息ついてのんびりしているのではと安堵しています。ところで、もう一度あの爽やかな鳴き声を聞きたいのですが、カッコーは山から戻ってきてくれるでしょうか。 財団法人日本動物愛護協会理事・事務局長会田保彦 |
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