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ペットといっしょに考えよう【ネコヤナギ】写真
ネコヤナギ
寒さはピークを迎えていますが、いつしか旧年末と比べても、あまり寒さを感じなくなりました。身体が徐々に馴染んだせいなのか、それともほのかに春の息吹を感じ始めたからでしょうか。老骨(?)にムチ打ちながら、相も変わらずハンで押したようにアイツ(9才・37Kg)との散歩に精勤していますが、その道すがらでのネコヤナギの枝には、花穂の銀毛がサヤのように伸びてきました。春遠からじです。

骨」と言えば、過日の新聞川柳欄には思いきり笑ってしまいました。曰く「ビルに骨なし、肉に骨あり」と寄せられています。もとより、軽いノリで鋭く社会を風刺するのが川柳の真骨頂ですが、耐震強度と日米牛肉の問題をからかった見事な警句です。それにしましても、新年早々から偽装とか偽証、虚業とか虚栄と言った何ともやりきれない薄っぺらな出来事のオンパレード。たまには、骨のあるどっしりした話に接っしたいものです。もちろん、ここでの骨とは気概、気骨の意味であり、自分なりには道義心にもとづいた強く大きな勇気と理解しているところです。

一方、正真正銘の骨のことですが、ごくまれにアイツにバッファロー・ナックル・ボーンなるナチュラルフードを与えています。これは、バッファロ−の後脚ひざ部分の膸と骨表面をスモークしたもので、本来はオヤツとデンタルケアの一環なのですが、アイツはあまりの堅さに難儀しながらもうなり声をあげて懸命に格闘しています。日頃はのんびりと甘えた生活をしていますが、あくまでも犬として、時には先祖であるオオカミのようにたくましい野生を取り戻させたい気にもなるものです。

かって、作家・城山三郎の「粗にして野だが、卑ではない」に登場する主人公(実在した方)の骨太な生き様に感動したことがありました。偽や虚ばかりの何でもありの結果、勝ち組が負け組を凌駕して手段を選ばずに「卑」がまかり通るよりは、少々粗野でも正義感の有無が社会常識のメジャーになるような世の中を待望したいものです。それは、たとえ人の心は金で買えなくても(それが当り前な人間の矜持です)、きっと次代を担う青少年の健全な育成にとって好ましい社会であり、何よりも若人に大きな「夢」を与えることができると確信するからです。アイツの心だってエサで奪うことはできませんし、その積もりは毛頭ありません。

財団法人日本動物愛護協会理事・事務局長会田保彦

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