
ペットといっしょに考えよう
異変と動物
うっとうしい限りなのですが、その割には、休みに入った子供たちから夏を惜しむ悲鳴が聞こえてきません。むしろ、塾のカバンを背負い、酔客に混じって夜の遅い電車に乗り合わせる姿が増えてきました。大人の郷愁かもしれませんが、昔の子供たちは真っ青な夏空の下で麦わら帽子をかぶり、野山をかけ巡って真っ黒に日焼けして過ごしたものです。 もう一つ、身の回りで異変がありました。初夏からこの時期にかけてアイツ(10才・35Kg)との早朝散歩の楽しみは、カッコウの爽やかな声を聞くことでしたが、実は、今年は未だ皆無なのです。例年ならば、他の野鳥の巣に託卵し、孵化後の巣立ちも済み、家族で奥山に避暑(?)に引きこもる頃なのです。何となく物足りずさびしい限りです。 そんな矢先の最大の天地異変は、新潟県中越沖地震の発生です。よもや平成16年に引き続き、越後地方が被害を受けるとは夢にも想像できませんでしたが、被災者の皆様には心からお見舞い申し上げますとともに、早速ながら人命・財産そして家族の一員である動物たちの被害が心配で、対応策を模索したところです。幸い、3年前の教訓を活かして新潟県の動物行政担当者が素早く現地の動物救援本部を立ち上げ、こちらは後方から人・モノ・金の支援をすることが決まりました。発生から4日後には、動物救援調査活動として車で現地入りをしたところです。テレビの画面、新聞の写真は十分に承知していたのですが、現場に立った倒壊家屋等の被災状況は一段とすさまじいものでした。垣間見た動物たちの状況と言えば、一時預かりとして引き受ける巻尾の犬が尾を股の下に丸めていたり、ケージ内の柴犬が近づいたボランティアに牙を剥きうなったり、M.ダックスの目が神経質そうにおよいでいたり、大きな黒猫が激しく動揺している様子が伺えました。いずれもが、震災により大きなストレスを受けた結果と思われます。その後、協賛各社のご尽力によりペットフードやペット用品の供給体制も整い、直近情報では7月31日現在で合計31頭の犬・猫が無事にシェルターに収容されています。 いつまでも降りみ降らずみが続き、アイツとの散歩もお天気次第に流されがちですが、その分だけせめてブラッシング等のケアは普段以上に励行しているところです。しかし、すでに換毛の季はとうに過ぎているのですが、未だに多量の抜け毛が続いています。ホームドクターに相談すると、たぶん日照時間の影響を受けたのではとのこと。そう言えば、かってと比較して犬フィラリア予防の投薬期間は長くなり、猫のシーズン(発情)もずいぶん伸びている由。今後、地球温暖化の進行などにより、ますます天候異変が予測されますが、人はもとより身近な動物たちの生理にも多大な影響が及ぼされることを実感させられています。 |
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