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現生する最大の両生類のひとつ、オオサンショウウオ
現生する最大の両生類のひとつ、オオサンショウウオ
オオサンショウウオは、現在では国の特別天然記念物として保護されている、大型の両生類だ。

 オオサンショウウオは一生を水中で暮らす両生類である。普通サンショウウオの仲間は、卵→幼生→幼体→成体という形で変態し、成体は水からあがって陸上で暮らすのが普通である。しかしその大きさゆえか、彼らは水の中での生活を余儀なくされたようだ。逆にいうと水の中での暮らしを選んだからこそ、その大きさでいられたのかもしれない。第一その大きな体、貧弱な四肢じゃ支えることができないだろう。  全身明るい茶褐色をしており、暗色の斑模様が入る。扁平な頭部の大きさに対して眼は非常に小さく、口は横に裂けていて非常に大きい。尾は縦に扁平になっており泳ぐときに使う。水中での暮らしに適した体といえるだろう。実際陸上での動作は鈍いが、こと水中ではかなり敏捷である。夜行性で夜間活発に行動し、魚やカエル、サワガニなどを食べる肉食性の生物である。岐阜県以西の本州及び大分県に分布し、山地の渓流が主な生息地になっている。最大で144cmの記録があるようだが、通常みられるものは50〜80㎝程度である。  このオオサンショウウオの仲間は世界に3種が知られており、152cmの記録が残っている最大の両生類タイリクオオサンショウウオ、その親類筋にあたるこの日本のオオサンショウウオ、そして合衆国にやや小ぶりなアメリカオオサンショウウオという種類がいる。いずれも類似した容姿をしており、トウキョウサンショウウオなどいわゆる小型のサンショウウオ類とは、一線をひくほどの差があるといっていいだろう。実際日本のオオサンショウウオは、19世紀半ばにシーボルトによって世界に紹介されたというが、当時化石でしかオオサンショウウオの存在をしらなかったヨーロッパでは、大きな話題になったようである。さらに実はこのオオサンショウウオ、最新の技術を使ってその体の仕組みを調べたところ、3億5000年前に絶滅した、陸に進出した最初の頃の両生類と共通点があることが明らかになったらしい。まさに「生きた化石」といっていい存在である。  繁殖は夏場に行われ、そのために上流へと移動するようである。確かにこのサンショウウオの目撃例は、この時期に多いという。産卵用の巣穴には300〜600流の卵が生みつけられ、オスがそれを守るとされる。日本では古来からこのオオサンショウウオのことを「ハンザキ」と呼び、強壮剤として利用してきた。これは、この生物を半分に裂いても死なないというといういい伝えに基づいたものである。また口を大きく開いたとき、半分に裂けたように見えるからだともいわれている。この生き物にまつわるお祭りもある。「ハンザキ祭り」というものだ。岡山県湯原町は昔からハンザキの産地として有名で、ハンザキをまつる大明神があったり、その名をとった橋がある温泉地だという。ここで毎年8月8日に行われるお祭りで、10m近くあるハンザキの形をした巨大な山車(だし)が繰り出す、勇壮な祭りだという。

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