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自由に深海へと行き来するマッコウクジラ
自由に深海へと行き来するマッコウクジラ
哺乳類きってのダイバーといえるマッコウクジラ。その潜水震度は2000m以上とさえいわれている。世界中の海に生息しており、若いオスたちからなる群れ、メスと子供たちからなる群れの二つで行動している。

 マッコウクジラはオスで最大19m、50tにもなり、モビーディック(白鯨)のモデルになったともいわれている。頭部が非常に大きく、体長の約1/3にも達するのがその特徴のひとつだ。体は黒から濃い茶灰色で、体表にはしわがみられる。世界中のすべての海で暮らしており、特定の海域では見られる頻度が高いといわれている。また一箇所に留まって暮らすグループもあるようだ。  マッコウクジラの主な食べ物はイカ類や魚類とされ、その中でもイカは彼らにとって主食になっているようである。それも英語で「深海イカ」と呼ばれる種類が多く、それが彼らの潜水能力の高さを物語っている。マッコウクジラは多くのクジラ類の中でも、もっとも深く潜水でき、そして長時間滞在することができることが知られている。  マッコウクジラは体の1/3にも及ぶ頭部の中に、脳油というワックス状の塊をもっている。この脳油は冷やすと固まって重くなり、温めると液化して軽くなるのだ。潜水前や潜水中には脳油を冷やすことで固体化し、それを利用して潜水する。浮上の際は逆に温めることで液化させ、浮上しやすくする。これにより、垂直に潜行したり浮上しやすくできていると考えられている。そして効率よく酸素を利用する体のメカニズムにより、深く、長く潜れるのである。  マッコウクジラはオスとメスとでその差がはっきりしており、成熟したものではメスに較べてオスはかなり大きいといわれている。食用としてだけではなく、先にふれた頭部に収まった脳油や、腸から採れて香水に利用される竜涎香(アンバー)のため、長い間捕鯨の対象とされた。クジラ類の中でも、もっとも捕獲された種類と考えられている。

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