ハゲワシとかハゲタカとか呼ばれる鳥たちがいる。いずれも頭部に羽根がないため名づけられた鳥たちの種類だ。
このうちハゲタカというのは、コンドル類の俗称で、この仲間は南北のアメリカ大陸に分布している。アンデス地方ではフォルクローレの歌でも歌われ、「コンドルは飛んでいく」が世界的に有名だ。 ではなぜハゲタカと呼ばれるコンドルには、頭部に羽根がないのだろうか? コンドルの場合その種類にもよるが、頭部というよりも長い首の部分にさえ羽根が少ない。同じように長い首をもつものにツルやサギなどがいるが、こちらの首はしっかりと羽根で覆われている。 彼らの頭部に羽根がないのは、こうした死肉を食べるその食性のためのようだ。死肉の表皮の破れた部分から頭部を中に突っ込み、肉を平らげる。競い合って長いくびを伸ばして死肉をあさる彼らにとっては、どうやら羽根は邪魔なようだ。その結果頭部からくびにかけての羽根がなくなったものと考えられているらしい。 しかし鳥たちのハゲは、彼らだけには留まらない。ハゲコウ、ハゲインコと挙げていったら結構存在する。ご存知トキの仲間にも、ハゲているものがいる。このように挙げてきた鳥たちは、コンドルのような死肉を食べるという習性はない。したがって、コンドルで説明した「なぜ羽根がないか?」という概念は当てはまらないのである。何らかの理由はあるのだろうが、鳥のハゲ頭についてはまだまだ謎も多いのである。 |