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毒ヘビの毒牙って、人を襲うためのもの?
毒ヘビの毒牙って、人を襲うためのもの?
ヘビという生物は、とかく敬遠されがちな面をもっている。彼らとてこの地球上に生きているわけだから、暮らしていくために餌を獲らなければならないし、そのために体の器官を発達させる必要があった。そのひとつが獲物に向かって打ち込まれる毒牙である。もちろんすべてのヘビが毒ヘビというわけではなく、人にとって無害な種類の方が、グループ全体からみても断然多い。ただ一部の強力な破壊力のある毒を備えた種類の影響で、ヘビ全体が「悪しきもの」のような印象を受けているような気がする。そうした中でも王様の称号を頂戴したのがキングコブラだ。実際には産んだ卵を親が保護するという、意外な一面ももち合わせている。

その細長い姿が不気味な印象を与えるのか、意味もなく嫌われてきたのがヘビという生物だ。さらには種類によっては毒をもっているという点も、彼らが敬遠された原因かも知れない。実際に噛み付かれたら、人間とて危ういといわれる種類も多いのである。しかしこの牙に備わった毒は、もともと人を攻撃するために発達してきたものではない。彼らの餌となる獲物にアタックして運動能力を失わせ、食べやすくするために発達してきたものと考えられている。

ヘビ(イコール)毒蛇と連想する人も少なからずいるかも知れないが、実際にすべての種類が有害なわけではない。世界に数多くの種類がいるヘビたちだが、実際に毒をもった種類が圧倒的に多いというわけではないのである。毒をもったヘビは、割合としては種類全体の15パーセント程度のようである。多くの種が無害なヘビたちであるのだが、不幸なことに意味もなく嫌われた面があったことから、おそらくはかなりの数のヘビが、人間によって不幸な末路をたどったことではないのかとは容易に想像できる。

俗に「ヘビにかまれる」という表現を使うが、実際には打たれると表現したほうがどうやら正確なようだ。種類によって異なるようだが、毒蛇の多くで発達している牙は口の先端の方に発達しており、獲物に対して攻撃態勢をとり、口を大きく開けることで打ち込みやすくし、しなやかな体で跳躍することで獲物の体にそれを打ち込んでいるのである。毒牙というとなんとなくそれ自体強靭なものを想像しがちだが、実際には繊細なようで、アタックした後獲物に食らいついたままだと、損傷する可能性もある。大事な武器である毒牙の負傷は、彼らにとってまずい。そのため牙を打ち込むような攻撃のしかたをするようである。毒によって体の機能が麻痺して、運動能力を失った獲物を食べるのもこの牙を守るためのようだ。もちろんこの牙を損傷したようなとき、いざというときの奥の手も用意されており、スペアーとなる牙が折れてしまった牙に変わり発達し、すぐに機能し始めるようである。

東南アジアに分布するキングコブラであるが、同所的に生息する毒ヘビをも食べてしまうことで知られる毒ヘビである。というよりももっぱらヘビを捕食しているようだ。最大では5m以上にもなり、性質も荒く、神経毒を備えている。産卵生態も知られており、枯れ葉を集めて巣をつくり、産み付けられた卵はメスによって保護されるという意外な一面ももっている。彼らもまたご多分に漏れず、毒ヘビとして駆除されつづけ、加えて開発に伴なう環境の変化で、その存続も危ぶまれている。

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