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コクジャクの中でも美しさNO.1のパラワンコクジャク。
東南アジアの熱帯域を中心に分布するコクジャクの仲間の中でも、一番美しいとされているのが、パラワンコクジャクである。
クジャクを小型にしたような、キジの仲間の鳥がコクジャクである。そのままの名前とも受け取れるが、大きさはちょうど小型のニワトリほどで、いずれの種類も東南アジアの熱帯地方を中心に生息している。体の色は比較的地味なものが多いが、いずれの種類も翼や尾羽に美しい斑紋をもっているのが特徴である。その中でも最も美しいといわれているのが、パラワンコクジャクだ。
名前の通りフィリピンのパラワン島に分布しており、低山や平野部の原生林の林床で、草や木の実、葉や昆虫などを食べながら暮らしている。オスはメスより体格的にもひとまわり大きい。またキジの仲間に属しているため、体色の雌雄差も大きい。オスでは体は黒っぽい基調に金属光沢のあるブルーで飾られた羽に被われる。さらに尾羽はクジャクほどではないにしろ扇形に広がり、白い縁取りを伴なった青い円斑が、同心円状に2列並んでいる。一方メスはというといたって地味で、全身が褐色で他のキジの仲間と同様オスほどの派手さはない。
鳥の仲間にはクジャクを筆頭に、繁殖期にメスをめぐってディスプレイするものが多いといわれているが、このパラワンコクジャクでも事情は同様である。先にふれたきれいな尾羽をいっぱいに広げ、また翼や体の羽のブルーの光沢をメスに見せつけることで、自分の存在を視覚的にアピールする。このディスプレイの後メスのおめがねにかなえば繁殖が行われる。
このパラワンコクジャクでも、今日問題となっているのは森林の伐採による生息地の環境の変化である。クジャク同様キジの仲間であるパラワンコクジャクは、地上性のため一般に森林などの豊富な木々を必要としないように思われそうである。しかし実際には、その生活のためには豊かな森など、やはり適度な自然の存在が必要なのである。その証拠に現在の生息地で彼らが暮らしているエリアは、そうした環境が残された範囲だといわれている。今日まで数を減らした原因としてはそうした環境の変化のほか、食料としての需要から捕獲されたことと、飼い鳥としても捕らえられたことも挙げられている。現在では国際間の商取り引きが禁止されているほか、現地では自然保護にまつわるシンボルとしても広く浸透している。 |