北半球を中心に世界に広く分布しているイタチの仲間、オコジョ。彼らはちょうど、ペットとして人気のあるフェレットの親戚にあたる。
犬・猫以外のペットとして、フェレットも人気である。その人気の秘密はなんといっても可愛さと、飼育者にもよくなれ遊び好きな点が挙げられるだろう。
フェレットはヨーロッパに分布するネコ目(食肉目)、イタチ科の動物であるヨーロッパケナガイタチを家畜化したものだ。日本にもこのイタチの仲間は存在する。テンやアナグマ、カワウソといった種類である。この中でもイタチのグループに入る動物のひとつが、今回ご紹介するオコジョだ。
フェレットにも似ており、くりくりとした目が非常に可愛い動物である。本州の中部以北に棲むホンドオコジョと、北海道に棲むエゾオコジョの二つの亜種があり、主に山地や森林でみることができる。いずれも日本固有亜種として分類されている。夏と冬で毛色が変化して夏季は全体が茶色で喉からおなか側の部分が白、冬季は尾の先を残して体全体が白くなるのが特徴だ。フェレットを飼育する場合、大抵肛門腺を除去する手術を行う。それは肛門腺に飼育者にとって非常に臭い分泌物が蓄えられるからだ。オコジョでも同様に肛門腺があり、そこから強烈なにおいのする分泌物を発射することが知られている。通常は単独で暮らし、山地の岩場付近や森林内で行動しており、広くはないがテリトリーを作っている。そこに他のオコジョが侵入すると、テリトリーの主との間で闘争が始まり、弱い方が追い出されることになる。
愛らしげな姿に似合わず肉食性で、ネズミや昆虫、カエルなどを食べている。気性は荒く、自分より大きなノウサギなどを襲う事もあるようだ。機敏で好奇心も旺盛であり、後ろ足で立ち上がり、前脚を岩などにちょこんと乗せ、周囲を見るようなポーズをとる。この2亜種のオコジョも、日本に生息するほかの哺乳類同様、開発による環境の悪化や生息地の破壊などによりその生息が危ぶまれている。またエゾオコジョでは、毛皮の生産のために導入され、現在帰化して定着しつつあるミンクなどと生息場所を競合しており、その生息地が減少している。 |