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カエルの子はカエル?
カエルの子はカエル?
トンビがタカを産むということわざがある。一方で、カエルの子はカエルというのがある。前者は分不相応の子息に成長したことをいい、一方で分相応の子供に成長したことをいうようだ。カエルの子供には別名があり、オタマジャクシの呼び名は広く知られている。親とはまったく違う姿で誕生したカエルの子供オタマジャクシが、成長することで結局はカエルになることから、このことわざはあるのだろう。

カエルは南極をのぞく全世界に分布しており、その種類数は3500種ともいわれている。種類によって生息環境はかなり異なるが、湿り気が必要なのは共通していえることのようだ。

春から夏、日本ではカエルたちの繁殖のシーズンである。オスたちは繁殖相手を求めて独特の鳴き声で鳴き合い、メスはその誘いに応じて交尾して卵を産む。彼らが卵を産むのは田んぼや小川の淀みなど、浅い水中だ。やがてフ化してオタマジャクシとなり、水中で藻類を食べて成長する。

オタマジャクシは水中でエラ呼吸する。やがて後脚ついで前脚が生え、尾は残るもののカエルらしい姿になる。そしてさらに尾が短くなると、呼吸法も肺呼吸となって、陸上での生活に移行していく。水中ならびに陸上での暮らしをもつことから、このグループは両生類と呼ばれる。同じ両生類でも、イモリの仲間は尾をもつことから有尾類とよばれ、カエルではそれがないことから無尾類とよばれて区別されている。

先にもふれたが、彼らが暮らしていく上ではある程度の湿り気が必要である。また繁殖場所として適当な水場も必要だ。首都圏はもちろんだが、今日そうした環境は急速に減りつつある。つまりカエルたちにとって暮らせる場所がなくなっているのである。これは日本に限ったことではないようで、全世界的なことでもあるようだ。世界の各地で絶滅した、あるいは絶滅の危機にある種類がかなりの数に登るようである。

このカエルたちは水陸の両方で暮らすため、それぞれの環境の汚染に敏感なことから、環境の悪化に対する指標動物であるともいわれている。そしてこのカエルが暮らせる環境が、人間にとっても大切であることが最近唱えられ始めている。カエルたちに忍び寄る危機は、自然環境の破壊などが我々にとって悪影響を及ぼしているサインでもある。潤いがあり、豊富な自然が残るところが何より彼らの故郷なのである。

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