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民家の庭でワニが御用?
民家の庭でワニが御用?
ワニといえば今日ではその商取引が規制されて久しい動物である。多くの種類がサイテス(ワシントン条約)によりその商取引が制限され、厳重に保護されている生き物だ。

すでに40年近くも前になるだろうか?その幼くあどけない姿がなんとなく人の気持ちを捉えたのか、ペットショップでワニの子供が盛んに扱われた時期があった記憶がある。もちろんものめずらしさもある。今日ではカメを筆頭にした爬虫類に関して、ペットとしての飼育も定着しているが、当時はそうした気配などさらさらなかった時期だ。ご存知のように、ワニといえば猛獣のひとつである。30cmほどの幼体が、ステンレスの水槽に水を張って入れられ、体の割に大きなギョロッとした目を見張っていた。現在アメリカ合衆国南東部に分布しているのが、ミシシッピピーアリゲーターという種類。全長は4メートル以上になり、大きなものでは5メートルを越えるという。ワニの中では比較的個体数も多いようで、種の存続に関してもあまり心配はされていない種類である。今日でもペットとして流通することもある種類で、メガネカイマンと並びこうした生き物をペットとする愛好家には、よく知られた種類だ。ただ問題になるのは、その飼育に対するモラルの低さがある。現在ペットとして輸入された生物が、野性化して色々な波紋を呼んでいる。自然が減少する中、本来の野生生物がその棲み家を追われている上に、さらに外来種の存在という問題までつきまとっているわけだ。これは哺乳類だけに止まらない。魚類や昆虫などまで及ぶ。世界が近くなったと考える部分もあるが、ここで大事なのは生物を飼育する上でのモラルの問題なのである。ペットとしては非常に特殊といえる今回のワニを含め、魚や昆虫。もちろん犬も猫に関して、その飼育をはじめるからには、飼育者は当然それらの命を預かる形になる。ごくあたりまえのことだが、飼いだしたからには最後まで面倒をみるのは、しごくあたりまえのことだ。そして自然下で4メートルにも達するミシシッピアリゲーターを、個人レベルで飼育することは果たして可能なのだろうか?もちろんプールクラスの設備を備えた飼育室があるなら可能かもしれない。しかしこうした特殊な生物に関しては、都道府県の条例で「特定動物」に指定されている。それらを飼育するにあたっては、その条例を満たすだけの飼育設備がある上で、許可を得る必要がある。これをせずに飼育していた場合、条例により当然処罰されることになる。ワニの場合もちろん日本にいない生き物であるから、それが発見された場合はペットとして飼われていたものが何らかの事情によって放たれたケースといっていいだろう。もちろん、ともすれば人間への危害も十分に考えられる。誰もワニがいることなど認識していないからだ。今回はワニという特殊なペットの事件だったが、犬や猫を飼育する上でも同じことがいえるだろう。終生きちんと面倒がみれることが、愛好家としての資質といえるのではないだろうか。

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