独特の姿をもつキリン。彼らの首が長いというのは、いうまでもなくよく知られたところ。動物園でも人気者のひとつだ。
キリンはゾウやライオンなどと並んで、アフリカをイメージさせる動物といえるだろう。成長したものではその高さが5メートルほど、子供でも2メートルあるというのだから、なんとも驚きである。
キリンはケニア、タンザニアなどアフリカの西部や南部の、まばらに木が生えているようなサバンナ地帯に生息している。その特徴である長い首は、ご存知のように高い木の葉を食べるのに都合がいい。ほかの草食動物では食べることのできない高いところの葉っぱも、キリンなら食べることができる。また展望台のような眺望の視界から、ライオンなど肉食の動物の存在もいち早く発見する。いわばサバンナの見張り番といってもいい存在である。首が長いからといって、その首を構成している骨が多いかというとさにあらず。首の骨の数は7つで、これは人間や犬など他の哺乳類と同じ数だ。
さて高いところの葉っぱまで食べられる首をもつキリンだが、その長い首ゆえの問題も生じた。高いところにある頭の位置まで、血液を循環させなければならないのである。心臓と頭の位置関係で考えてみても、人間ではせいぜい30センチ程度の距離だが、キリンとなるとその長い首の先につく頭までの距離は2メートル以上になる。心臓から循環する血液は2メートル高い位置にある脳へ送り込む必要があるのである。そのためにキリンは強大な心臓をもっている。そこから送り出される血液の圧力つまり血圧は、人間の2、3倍もあるのだ。とはいえ心臓が特殊な構造をもっているわけではなく、心臓自体が大きく、その壁が厚くて丈夫というのがその特徴のようだ。
単にキリンと呼ばれることが多い動物だが、実はこのキリンにも種類があるのをご存知だろうか?よく動物園でみられるマサイキリン、アミメキリンのほかに、ケープキリンなど数種類がいるようである。これらは分布域や体の模様の特徴によって、分けられている。もちろんどの種類であっても、トレードマークといえるその長い首の特徴は共通である。
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