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お母さんピパの背中は、安全なゆりかご。
お母さんピパの背中は、安全なゆりかご。
写真の、まるで木の葉のように平べったい生き物は、「ピパ」と言う種類のカエルです。「学名もPipa pipa(ピパピパ)」で、姿に似合わずなんともかわいい名前ですね。

ピパは、多様な動植物が生息することで知られる、南アメリカのアマゾン川流域に暮らすカエルの一種です。私達が普段見慣れたアマガエルやトノサマガエルとは異なり、まるで押しつぶされたかのような扁平な体と、よく観察しないと分からないほど小さな目をしています。この小さな目はあまりよく見えていないようで、かわりに前足を触覚のように使っています。舌はなく、前足で餌となる獲物をかきこむように口へ運びます。  一生を水のなかで過ごすところも、私達がよく知っているカエルとは異なる点です。ですが、なによりも一番ユニークなのが、このピパの子育て方法です。カエルといえば春先に池などで見かけるゼリー状の膜に覆われた卵と、おたまじゃくしたち。ところがピパは産卵した卵をお母さんカエルが常に背負い、それゆえ「コモリガエル」とも呼ばれるようになりました。産卵のシーズン前になるとお母さんカエルの背中の皮膚がスポンジのように厚みを増し、卵にとって快適なベッドとなります。背中に産みつけられた卵は皮膚に埋没していき、そのなかでオタマジャクシの時期を得て、親と同じカエルの姿になってから外の世界へと旅立っていくのです。

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