まさに名が体を現すような動物、ビッグホーン。またの名をオオツノヒツジといい、その名のとおり大きな角をもった野生の羊の仲間である。
羊といえば人とともに歩んでいる家畜のひとつである。食肉用や毛糸を取るためなどに飼育され、その品種の改良の歴史も古い。その一方で、いわゆる野生の羊の仲間も存在する。ビッグホーンシープと呼ばれる仲間もそのひとつだ。
ビッグホーンは、ロッキー山脈で知られる北アメリカの山岳地帯を主体に分布しており、一部は砂漠地帯にもみられる。その特徴的な角だが、ちょうどホルンという管楽器のように、大きく螺旋状に巻いて生えている。そしてこの角の大きさが、強いオスのバロメーターにもなっているようだ。繁殖期オスたちは、この角を角をぶつけ合い、どちらが実力があるのかを決着つけるのだ。
ちなみに、メスの角は小さく、巻くこともない。
季節によって住む場所を移動し、夏は高地で、冬は降雪の少ない低地に降りてくる。彼らが暮らす北アメリカでは、国立公園の整備が進んでいるため、生息環境に関して十分に注意が払われ管理されている。野生生物は本来の野生のままにというのがその根底にはあるようだが、実はこのビッグホーンではその魅力的な大きな角が災いして、しばしば狩猟のターゲットとなってしまった経緯がある。人間に対する慣れを防ぐ点も、そうしたルールのベースとなっているようだ。 |