外国産カブトやクワガタは、日本のものとは異なる姿をしていることが多い。その姿に、子供たちはゆうにおよばず大人をも夢中にさせる。
ジャワ島に生息するオウゴンオニクワガタもそうした昆虫のひとつだ。全身が黄金色に光る、大型のクワガタである。クワガタといえば、たいていはまっ黒な色をした大きなアゴをもった昆虫を思い浮かべるのではないだろうか。実際昆虫図鑑にあるクワガタたちも、黒い色をした種類が大多数だといえる。ところが外国産の昆虫を含めて見渡してみると、一方でパプアキンイロクワガタのように、メタリックな光沢を放つ、一風かわった種類がいるのも事実である。
写真はローゼンベルグオウゴンオニクワガタと呼ばれる、これまた変わったクワガタの仲間だ。オウゴンオニクワガタの仲間にはいくつかの種類が知られるが、その分布はインドネシアからインドシナ半島にかけてとされている。ローゼンベルグはこのオウゴンオニクワガタの仲間の中でも最大になる種類で、オスで80ミリを超えるとされている。また他のオウゴンオニクワガタではメスの色彩が黒いのに対して、ローゼンベルグではメスもまた金色に輝くのが大きな特徴でもある。また一般にクワガタのオスといえば、ものを挟むような鍬状の大顎をもっており、それが魅力にもなっている。しかしこのクワガタではその形も大きく違い、ちょうど顎の中央付近で内側に向かってくびれるような形になっている。先端が短く3叉しているのも、面白い特徴だ。
熱帯雨林の雨季と乾季があるような地域に暮らしており、黄金色の体色は湿度により変化するともいわれている。多少乾燥したほうがその輝きが増すといわれているのだ。また個体差もあるようで、金色みの強いもの、青みの強いものなどもいるようである。
外国産の昆虫のペットとしての輸入が許可されて以来、その人気の高さからコンスタントに輸入されているが、以前からその飼育難易度は高い種類といわれていた。愛好家によって今日でも試行錯誤が繰り返されているが、まだまだ大型のサイズの作出は難しいようである。野生の個体群を維持していく上でも、そうした飼育技術の向上は望ましいことだといえるだろう。
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