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ウサギの耳は、どうして長い
ウサギの耳は、どうして長い
今回はウサギのお話です。

 ペットとしての人気も定着したといっていいウサギ。鳴くこともなく、犬などに比べると比較的狭いスペースでも飼育でき、毎日の散歩といった管理が必要ない人気のペットです。飼育に関連するグッズも充実して、その居住環境をあまり選ばないのもウサギの特徴かもしれない。    そんなウサギたちの一番の特徴といえば、なんといってもやはり長い耳だろう。さまざまに改良されたウサギには、ロップイヤーなど垂れ耳の種類もいるが、いずれも長いのが特徴である。  ではなぜ長い必要があるのだろうか?長いあるいは大きいほうが音がよく聞こえるから?もちろんそうかもしれない。かすかな音を聞き分けることができれば、天敵から逃げるのに役立つはずだ。ではウサギ同様肉食獣に襲われる可能性のある、同じ境遇にある動物たちが皆ウサギのような耳をもっているかというと、そうでもない(もちろん暮らし方や習性もまったく同じではなく、大きさなどもまちまちなので、ひとまとめにして比べてしまうのも乱暴とはいえるのだが…)。実はウサギたちの耳が長いのには、もうひとつわけががある。長い耳が体温を調整するためのラジエーターの役割をしているのである。  体温が上がると人間では汗をかくことで下げようとするが、ウサギではその汗をかくための汗腺の機能が、あまり発達していない。とはいえ野生の暮らし中ではキツネやワシなど、彼らを狙う肉食の動物に襲われる可能性のあるのがウサギなのである。黙って餌食になるわけにはいかず、当然逃げなければならない。猛然と逃げることで、当然体温は上がる。それを解消しているのが耳なのだ。ウサギの耳には毛細血管が張り巡らされている。表面積の広い耳に風を当てることで、体温が上がるのを防いでいるわけだ。耳を循環している血液を冷やすことで、汗をかくことなく体温を調節しているのである。  長い特徴的なウサギの耳だがこのように大切な役割をもった体の一部である。決して、ウサギを持つときに耳をつかむなんてことがないように願いたい。

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