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飽くことなき、ディスカス改良のゆくえ。
飽くことなき、ディスカス改良のゆくえ。
ディスカスはいわゆるシクリッドと呼ばれる熱帯魚のグループの中のひとつであり、円盤状の優雅な姿と、体表から分泌するミルクで稚魚を育てる珍しい習性で知られる魚だ。

 熱帯魚の王様という代名詞をもつ、アマゾン川原産の熱帯魚であり、現地からワイルドと呼ばれる個体が輸入されているほか、欧米やアジア諸地域で繁殖されている観賞魚である。  日本のアクアリウムシーンにそのディスカスが登場したのは、1960年代になってからのことだ。 一方でこの魚では、品種の改良が盛んである。原種のディスカスでは黄褐色の地色にブルーのストライプや赤いスポットが入る魚であるが、特徴的な良魚を繰り返し交配して、魅力的な魚へと仕上げていったのである。  当初その改良の中心はヨーロッパやアメリカなどだった。特にドイツでは精力的にそうした作業が続けられ、ブリリアントターコイズ、コバルトブルーターコイズと呼ばれる全身が青く輝く魚が作出され、愛好家の間で人気を博した。そしてそうした青系の魚ではさらなる改良が施され、全身隙間なく輝くようなブルーに染まった魚が登場した。ブルーダイヤモンド、インペリアルブルーなどとよばれる品種である。これはディスカスのもつ魅力的な青を追及した結果であり、そうした改良のひとつの終着点とも思えるでき事だった。 そしてディスカスの改良はこれで落ち着くのかと思いきや、そうではなかった。体の赤い斑点に注目した改良、あるいは突然変異から固定したディスカスのさらなる改良といったように、ブリーダーそして愛好家の夢はさらなる広がりをみせているのである。

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