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どんどん小さく育つカエル。
どんどん小さく育つカエル。
この世に生を受けたものは、人間に限らずおよそ成長しながら育っていくものだ。程度の違いこそあれ、成長を続ける限り体は大きくなっていくのが普通である。しかし、そうした概念が通用しない生物もいる。

 我々が持つ“成長”という概念が通用しない生き物。それは。コロンビアからアルゼンチンにかけて分布している、アベコベガエルという種類だ。不思議なことに彼らは成長することでどんどん小さくなっていくのである。ご存知のようにカエルの子供はオタマジャクシである。一般にオタマジャクシは水中で成長し、やがて後足が生えさらに前足が生えて四足になり、ついには水中を泳ぐための尾が吸収されてカエルの姿へと変貌する。この工程はアベコベガエルでもなんら変わりはないのだが、問題はその大きさの変化である。  アベコベガエルのオタマジャクシはとにかくでかい。20センチをゆうに超え、25センチにも達するものもいるといわれている。現在日本でみられるオタマジャクシで一番大きいのは、もともとはアメリカが原産のウシガエルのオタマジャクシだ。俗に「バケダマ」などとも呼ばれたりもするが、それでもせいぜい10センチ前後である。そしてそのアベコベガエルのオタマジャクシの20センチ以上あった体は、カエルになるとわずか6センチほどになってしまうというのだ。かたやウシガエルでは、成体つまりカエルのサイズが20センチ程度になる。こちらは大きくなるという、通常の成長をみせるわけだ。アベコベガエルを、その巨大なオタマジャクシから、さぞかし大きなカエルへと変貌するのだろうと想像した人は、ひどい肩透かしをくらうわけである。そもそも子供の頃は水中にすんでエラで呼吸し、大人になると陸上へと進出して肺呼吸するという特殊な生き方をするカエルたちだが、その中でも特に一風変わっているのが、このアベコベガエルといえるだろう。

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