ペットペット動物豆知識
日本でイグアナが繁殖?
本来日本にいなかった生物をペットにするということは、その生き物に関して一切の責任をもつということを意味している。もっともこうしたことに関しては、イヌネコをはじめペットを迎え入れるすべての人にいえることだが。日本の環境に適応する可能性のある生物であれば、やがては環境に適応し、もともと日本にいた生き物たちにとって脅威にもなるし、少なからず影響を与えることは間違いない。 すでにそうして定着し、よく名前が聞かれるものがブラックバスやミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)などだ。外来種とも呼ばれる生物たちだが、彼らはもともと隔たれた大陸で暮らしており、好んで日本にやってきたわけではない。人為的につれてこられたものが、日本の環境に適応して野生化したわけである。ところで、最近相次いでやはり日本にいない生物が見つかり話題になった。ニシキヘビの仲間と、恐竜のような面影をもったイグアナの話題である。ニシキヘビに関しては神奈川県でのでき事で、イグアナに関しては南西諸島、石垣島でのでき事だ。 ニシキヘビは正式にはボールニシキヘビという種類で、もともとアフリカ原産のヘビである。美しい模様をもつことからペットとしての人気もあり、専門店を中心に流通している。そのニシキヘビが民家の庭に居座っているところを捕らえられ、保護されたという話題である。元来ある程度の気温がなければ生存は難しいため、冬を乗り越えることはないかもしれないが、いずれにせよペットとして飼育されていたものに間違いはない。 イグアナに関しては沖縄でのでき事だ。南北に長い日本列島、その南の端に当たる南西諸島は亜熱帯の気候をもっている。サンゴ礁の海が広がり、イリオモテヤマネコをはじめ、陸上の生物も特有な種類が多くいる。本土とはまた違った環境といっていいだろう。その石垣島でイグアナが繁殖しているというのである。つまりただ単に逃げ出したペットが捕獲されたというのではなく、ミドリガメなどと同様帰化している可能性があるというのがその見方だ。現地では10年近く前から目撃例もあり、このグリーンイグアナの帰化に伴う亜熱帯の生態系への影響が懸念されている。どのような経緯でこうした状況になっているのは定かでないようだが、いずれにせよ人間によってもち込まれたものの末裔であることには間違いない。 ペットを飼うということには、いろいろなモラルがつきまとう。このニシキヘビやイグアナの例に限らず、どのような生物であっても、友に暮らし、天寿をまっとうさせてあげることが愛好家としての最低限のモラルといえるだろう。 |
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