動物の名前は、体の特徴からつけられるものがけっこう多い。だが、アフリカに生息するシロサイは、決して白くない。
アフリカやアジアに生息する大型の奇蹄類であるサイの仲間たち。種類によって多少違うが草原やサバンナ、沼地などに棲んでいる。
サイの仲間は鼻の先に立派な角をもっているが、この角は牛の角などと違って骨質の芯がなく、皮膚が変化したものである。そのため、折れてもまた生えてくる。全世界でサイの仲間は5種類が知られるが、中でもシロサイは特に体が大きく、体長4m、体重は3t以上にも達する。巨体のわりに走るスピードが速く時速50キロものスピードで走るという。視力は弱いが、そのかわりに聴覚は優れていて、さながら集音器のような耳でさまざまな情報を察知しているという。サイの仲間はいずれも草食で、いろいろな植物を食べている。そしてそれぞれの種類が主に食べる植物によって、口や唇の形に違いがあるという。主に丈の低い草を食べるシロサイでは口の幅が広く、一度に多くの草を食べられるようになっている。芝刈り機のような口なのだ。
シロサイは、その幅の広い口の形を指してオランダ語でwijd(広い)としていたものが、19世紀初頭に英語にするときにWhite(白い)と誤訳され、「White Rhinoceros(シロサイ)」と呼ばれるようになった。なお、クロサイは同じくアフリカに生息するサイで、口は植物の葉をつまんで食べやすいようにすぼまっている。シロサイと対照的な姿だったことと、シロサイと比べると黒っぽかったことから「Black rhinoceros(クロサイ)」と呼ばれるようになった。
ちなみに、シロサイもクロサイも体の色はグレー(灰色)である。
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