超大型犬:ブル・マスティフ
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【体 高】61〜69cm
【体 重】45〜59kg
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■ルーツ
夜間の猟区を密猟者から守ることで、19世紀半ばマスティフ60%、ブルドッグ40%の選択的交配によって誕生した犬種。その任務も、侵入者を殺傷することなく捕らえることだったという。仕事の範囲は猟地から牧場、農園など多方面に及び、優れた能力が評判となって世界各国に広まった。ところが、飼い主にもなかなか心を許さない過剰な防衛本能のため、一時は人気も衰退した。20世紀に入ってからは、警備犬としての人気を取り戻し、今日に至っている。
■外見的特徴
体は大柄で雄々しく、体形は全体にスクエア気味。胴は引き締まりながらも力強い筋肉におおわれ、それを支える四肢もたくましい。太い尾は、つけ根の高い垂れ尾である。幅広な頭、硬く張った頬、短く黒い鼻筋をもち、耳は高い位置からV字に垂れている。鋭く光る目を加え、いかにも不敵な面構えだ。毛は、粗めの上毛と密生した下毛のダブルコートだが、短毛である。毛色は、濃・淡のフォーン(金色がかった茶)を中心に、アプリコット、シルバー、地色に差し色の入ったブリンドルがある。
■性 格
作出に至った経緯のためか、防衛能力は完璧といえる。難点は、きちんとしたしつけをしなければ、飼い主であろうと防御反応を示す点だ。基本的な訓練はすぐマスターするが、この服従訓練にはかなりの時間と根気が必要である。早期から攻撃性を制御できるよう、地道に訓練を続けるしかないといえるだろう。ただこの頑固さは、裏を返せば忍耐強さでもあり、この犬種のもち味である。しっかりとしつければ、普段は穏やかで、いざという時最高に頼れる家族の番犬になってくれる。
■飼 育
短毛種ゆえ、日常の手入れは容易だ。体が汚れたと感じたら、固く絞ったタオルまたは蒸しタオルで皮膚の汚れを落としてやる。この際、毛の流れに逆らって拭きあげるようにするのがコツといえるだろう。また換毛期には入念な手入れを心がけ、ゴムブラシなどでブラッシングしてやる。これを毎日欠かさず行いながら、死毛をしっかり取り除いておく。
■健康上の注意点
運動は毎日30分程度の引き運動を、できれば2、3回行う。時間や距離、内容(自転車などを使ったトロット、ギャロップなど)に変化をつけながら、筋力を鍛えるようにする。暑さにも寒さにも強い面をもつが、夏期の運動は、早朝か夜遅くに行い、無理をさせない方が無難だ。食事は若犬から成犬なら1日1、2回、適量を与える。内容としては、栄養バランスのよいドライタイプのドッグフードに、肉類や内臓類を煮たタンパク質、乾燥小魚やチーズなどのカルシウム、パンやご飯などの穀類、缶詰フードなどを加えた混合食でいい。人間食の与えグセに注意し、過食や偏食にも気を配りたい。股関節形成不全や目の病気などに注意する。
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