小型犬:チン
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【体 高】25cm /メスはやや小さい
【体 重】2〜3kg
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■ルーツ
先祖はチベタン・スパニエルだろうと考えられており、現在のものには、チベタン・スパニエルやペキニーズ、キング・チャールズ・スパニエルなどの血も入っているようだ。日本にやってきたのは、奈良時代のこととされ、730年に今の韓国にあたる新羅から、聖武天皇への献上犬として贈られたのが最初であるとされる。その後も遣唐使によって、中国からもち帰られていたようだ。江戸時代には大奥で愛され、諸大名の間でもこの犬を飼うことが流行したという。また、外国の高官名士への贈り物にもされていて、1853年にはペリー提督へ、1880年にはドイツのアウグステ皇后へ贈られたとの記録も残されている。今日でも、美しく愛嬌もある家庭犬、愛玩犬として、多くの愛好者に飼育されている。改良国産犬種としては、世界公認犬種となった日本初の犬として知られる。
■外見的特徴
滑らかで豊かな絹糸のような被毛につつまれた、優美で気品のある小型犬である。頭部は丸く幅広く、鼻吻部は極めて短く幅広く、両目の間のくぼみが深い。鼻は両目を結ぶ線上にあり、大きく丸い両目の間が離れていて、これらがこの犬種を愛嬌のある顔立ちにしている。背は短く水平、腰は幅広く、わずかに丸味をおびた体形をしている。被毛は滑らかで、顔面以外は長くまっすぐな毛に被われ、耳、首、大腿、下腿、尾には豊かな飾り毛がある。毛色は白地に黒または赤の斑で、胴の斑、顔の斑は左右相対が好まれる。特に鼻吻部から頭頂にかけて幅広い白の斑があるものが望まれる。
■性 格
利口でおとなしく、茶目っ気をもった愛らしさがもち味といえる。情愛こまやかで、飼い主一家に対して従順なだけでなく、ほかの犬などとも友好的に接することができる。小型犬らしい快活さはあるが、攻撃的ではなく、順応性にも優れている。とてもしつけやすく、運動量もそれほど必要としないので、室内での飼育も比較的楽な犬種といえるだろう。
■飼 育
長毛種ではあるが、厚い下毛がないので、基本的な被毛の手入れはブラッシングとコーミングで十分だ。また滑らかな美しい毛質を保つためには、定期的にシャンプーをしてやるといいだろう。その大きな目の周りの清潔を保つなどの配慮が必要だ。目が出ているので眼球を傷つけないように注意しながら、やわらかい布や綿棒を使って、目ヤニや汚れをまめに取り除いてやりたい。
■健康上の注意点
運動としては、長い散歩を時々させるだけでも大丈夫と、手間いらず犬種だ。しかし犬の健康を維持するためには、規則的に運動させることが大切である。散歩に出ない日には、室内で遊び相手をしてやる。食事の内容は、栄養バランスのとれた小型犬用のドッグフードだけでも問題ない。嗜好性を加味してやるならば、ドライフードとウェットフードの混合食が一般的で手軽だろう。回数は若犬から成犬の場合は1日1、2回。肥満や病気を防ぐためにも、間食や偏食は避けるようにする。規則正しい食生活を心がけたい。突き出た目は傷つきやすく、また眼病にも罹りやすい面がある。
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