中型犬:甲斐犬
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【体 高】 48〜53cm
【体 重】16〜18kg
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■ルーツ
もとは山梨県(甲斐の国)の南アルプス山岳地帯において、古くから猟師の相棒を勤め、シカやイノシシなど大型の獣を狩っていた。そこは冬には寒風が吹きすさび、深い雪に埋もれる一帯である。本能的に集団意識が強く、他犬種との交流をあまり好まなかったため、純血種として保たれたといわれる。中型の日本犬としては最も早く、1934年に天然記念物に指定された。現在は狩猟犬というより、家庭犬として飼育されている。
■外見的特徴
甲斐犬の特徴は、何といってもその精悍な体格である。体長よりも体高が高く、がっしりした骨格をもち、腰も胸も力強い筋肉に富んでいる。四肢もたくましく、実に伸びやかだ。やや長い尾は、背中の上で巻くか、半円を描く。やや堅めの被毛は、上毛が硬い直毛、下毛はソフトで密生するダブルコートである。毛色は、子犬のときは単色だが、成長するにつれ虎、黒虎、赤虎に変化する。耳は三角形でやや前方に傾いており、他の中型犬より大きめ。鼻はまっすぐで先が細く、目は小さいながら鋭く、広く見据える雰囲気をもっている。
■性 格
勇猛で素朴な日本犬の性格を、十分に備えた犬だ。その感覚や警戒心は、過酷な状況のもと、山中で自分より大きな獣と闘ってきた証拠といえる。強烈な群れ意識や防衛本能で、自らの純血を守った頑固な気質といえるだろう。家庭に入った今もそうした部分は健在なので、甘やかして権力が犬にいかないよう、地道なしつけや訓練を重ねることが重要である。きちんとしつければ、頑健で頼れる番犬になる。
■飼 育
日常の手入れとしては、ブラッシング程度で十分である。体が汚れていれば、蒸しタオルなどで拭いてやればいい。ただし換毛期だけは入念なブラッシングをして、しっかり死毛を取り除かないと、皮膚病の原因になる。気になるようなら入浴を行うが、シャンプーなどでの手入れは特に必要としない。体温より低めにシャワーの湯の温度を設定して、蒸すようにして洗ってやる。その後はタオルでしっかりと水気を取り、ドライヤーで乾かすようにする。
■健康上の注意点
体力もあり、忍耐強く、寒さにも強い犬種である。運動は1日30分〜1時間の引き運動を、できれば2回行う。年齢やコンディションに応じて、早足や自転車を使い分けて、運動の距離、スピードに変化をつけるといいだろう。食事の回数は、若犬から成犬なら1日1、2回が一般的だ。栄養バランスのよい、特に歯の健康にも役立つドライタイプのドッグフードがおすすめであり、基本となる。また運動量との兼ね合いで、その量や質を調節して、過食にならないようにしたい。
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