PET PET動物百科事典 :犬図鑑
大型犬:ノルウェジアン・エルクハウンド
【体 高】47〜52cm前後
【体 重】約23kg
■ルーツ
その歴史が非常に古い犬種のひとつである。スカンジナビア地方を中心に、エルクと呼ばれたヘラジカや、熊やウサギなどの狩りに使われてきた犬である。また冬期には、そり用の犬に使われたといわれている。羊などの家畜の番犬や、鳥猟犬としても利用されており、バイキングの遠征には、必ず同行したという説もあるようだ。1878年にイギリスで紹介され、その後クラブが設立されて以降、世界中に知られるようになった。狩猟犬のほか、現在は家庭犬としても愛玩されている。
■外見的特徴
スピッツの仲間であるエルクハウンドは、過酷な自然の中で、毎日、文字通り1日中の狩猟に対応しなければならなかった。そうした要求に応え、狩猟犬としての能力を培ってきた犬種で、典型的な北方タイプの犬である。体形は全体的にスクエアで、バランスのとれた体つきをしている。頭は広く、耳は立ち、尾はかたく背中に巻いている。目は濃い茶色だ。被毛は比較的短く、特徴あるグレーの毛色をしている。また硬く、厚く、豊富だが、やや滑らかで肌について寝るように生える。頭部と前肢の毛は短く、顎や胸、尻、前肢のうしろ側、尾の裏側の毛は長く、下毛は羊毛のようにやわらかい。
■性 格
おとなしく飼い主には献身的だが、訓練は必要である。またもち前の狩猟犬の能力として、敏捷さに富み、嗅覚や聴覚に優れた点では卓越したものをもっている。知性や自信、人を喜ばせる能力をもった犬として、注目を集めるようになった犬種である。あらゆる環境や状況にもすばやく対応する信頼性でも知られ、狩猟犬として絶大な支持を得ている。また鳴き声には、いくつかパターンがあるようで、彼らの鳴き癖を熟知した飼育者は、それを聞き分けることができるようになるという。注意力に優れた彼らは、よい番犬になるだろう。
■飼 育
硬く、厚く、豊富な被毛には、定期的なブラッシングが欠かせない。とくに換毛期には、入念な手入れを行うようにする。抜けた毛が新しい毛についてしまうので、ラバーブラシなどで死毛を取り除くようにする。ショーに出陳する場合は、自然のままの状態が条件になる。
■健康上の注意点
敏捷でエネルギッシュな犬なので、動き回れるスペースは広い方がいいだろう。またスタミナがあり耐久性もあるので、毎日の運動は十分に行う必要がある。リードつけての散歩を長時間実行してやる。食事は特に配慮はいらないが、若犬から成犬では1日1、2回が目安となる。内容としては、歯の栄養バランスに優れたドライフードをベースに、タンパク質やカルシウム、穀類、犬の好む缶詰フードなどを加えた混合食を与えるのが手軽でいいだろう。また過食やカロリー過多による肥満にも注意したい。きびしい環境に耐えてきた犬だけあって、一般的に丈夫といえる。
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