カブトムシ:アクタエオンゾウカブトムシ
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【学 名】Megasoma actaeon
【分 布】アマゾン川流域に広く分布
【体 長】♂:110mm♀:70mm
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■説明
3本角のうち、まん中の1本があたかもゾウの鼻のようになっているところから、この呼び名がある。大きさではヘラクレスオオカブトムシに一歩譲るものの、重さという点ではゾウの名に恥じない、重量級の大型カブトムシである。南米大陸の半分近くに広く分布し、ゾウカブトの仲間としては、もっとも普通に見かけることができる。
■成虫の飼育
基本的な飼育方法は日本のカブトムシと変わらないが、何しろサイズが大きいので飼育容器はできる限り大きな物を用意すること。また、オスの気が荒い種が多いためオスの複数飼育は避け、原則としてはペア飼いをする。容器の底には昆虫マットと呼ばれるクヌギやコナラを粉砕したものを敷き詰める(ペットショップで購入)。<br> このとき、昆虫マットがあまり乾燥しているようであれば、使用前に霧吹きなどを用いて適度な水分を与えておく。昆虫マットは、最低でも厚さ10cmくらいは敷き詰めたい。また、繁殖を狙うのであれば更に厚く敷くべきである。また、朽ち木も必ず用意してやりたい。というのもひっくり返ってしまったカブトムシは昆虫マットだけでは起き上がれないため、足場として重要なためである。
■幼虫の飼育
外国産の大型カブトの幼虫といえども基本的な管理方法は我が国のカブトムシと何ら変わることはない。幼虫は昆虫マットを厚く敷いたプラケースで管理する。餌は昆虫マットがそのまま餌となるが、幼虫のフンが目立つようになった時点で新しいものと交換しなければならない。<br>また、幼虫は適度な湿度を好むため昆虫マットが乾燥しすぎないよう注意し、ときおり霧吹きなどで適度の加湿をした方がいいだろう。幼虫は卵から1令、2令、3令と脱皮を繰り返して成長していく。大型カブトムシの3令幼虫になると体長が15cmにも達し、餌の量も半端ではなくなる。また、この時期の幼虫ではアゴが発達してくるので、不用意に触れると噛みつかれて怪我をする場合もあるので、取り扱いには注意する。<br> この時期、幼虫の体表に黒く焦げた跡のような斑紋が生じることがある。この病気にかかるとほとんど回復の望みはなく、他の個体にも伝染するので、1度発病した幼虫は速やかに隔離すること。幼虫は3令を過ぎると蛹になる。卵から蛹になる時期は、管理温度や種類によって異なるが長いものでは2年以上かかる場合もある。<br> オオカブトの仲間の蛹はどれも巨大なため、3令幼虫になった時点でできるだけ大きな容器に移したほうがよいだろう。3令幼虫は時期がくると、蛹室と呼ばれる空間を昆虫マットの中に作り、その中で前蛹と呼ばれる状態になる。この時期、幼虫時代はCの字に曲がっていた体が真まっすぐに伸びるので、それとわかるだろう。幼虫は前蛹の状態で数週間を過ごし、その後脱皮をして蛹になる。
■餌
本来カブトムシやクワガタムシの仲間は、自然下ではクヌギなどの樹液を餌としている。しかし飼育下では、リンゴやパインなどの果物で代用することも可能だ。もっとも最近では、各メーカーから昆虫ゼリーが市販されているので、これを用いるのが栄養面や管理のしやすさからいってもお勧めである。昆虫ゼリーの成分はメーカーごとに微妙に異なり、栄養強化をうたったものや、ビタミン添加をしたものなど様々だ。<br> 多数ある製品の中からどれを選択するかは、はじめのうちはかなり迷う問題なので、ショップの方や飼育経験豊かなベテランの意見を参考にするといいだろう。昆虫ゼリーはペア飼育の場合は、餌の取り合いにならないように2か所に設置してやる。このときゼリーの量が多すぎるようであれば、カッターなどでひとつのゼリーを二分割して設置するといいだろう。また、ゼリーは時間とともに変質するので、たとえまだ残っていたとしても、定期的に交換(長くても3日)したい。
■産 卵
オオカブトの仲間はどれもサイズが大きいため、繁殖の際にはできる限り大きな容器を用意した方が、成功の可能性は高まる。容器にはほぼ上までいっぱいに昆虫マットを敷き詰める。また、昆虫マットだけでは足場がないので朽ち木を入れて、ペアが交尾をする際の足場とするとよいだろう。<br> 交尾後メスは容器の底の方にまでもぐっていきそこで産卵を行う。卵は直径5mmもあろうかという大きなもので、50個前後産卵するというのが平均的である。卵が確認できたら容器からペアを取り出して、卵はそのまま放置して幼虫の孵化を待つ。
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